幸福 Shiawase
(C)「幸福」製作委員会
北海道、勇払駅。ひと気のない閑散とした街に、グレーのジャケット姿にボロボロのスニーカーを履き、ボストンバッグを提げた中年男がふらりと降り立つ。男は街外れの公園で、突然倒れるように眠ってしまう。場末のスナック「あすなろ」に職を見つけた中年女は、公園で行き倒れている男を介抱し、店に連れてくる。店のマスターは迷惑がりながらも、所持金の乏しい二人に夕食代を貸す。その晩、女は自分の家に男を連れ帰り、一夜を共にする。二人の奇妙な共同生活が始まるのに言葉は必要なかった。